2024-09-17
マイホームを買い替えるときは、今の家を売却してから、売却代金を購入資金に充てられれば負担は抑えられます。
一方で、家が売れるまでには3か月~半年ほどかかるため、同時進行で新居を探す必要もあります。
そこで、新居の売買契約時に便利なのが買い替え特約です。
今回は、マイホームの買い替えを検討中の方に向けて、買い替え特約とは何か、メリット・デメリットを解説いたします。
ぜひ、ご参考になさってください。
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不動産を売買するときは、買主と売主で売買契約を結びますよね。
その際は、双方合意の元で不動産売買契約書に特約を設けることができます。
その特約の一つに、買い替え特約があります。
買い替え特約とは、マイホームを住み替える予定の買主が定めた期日までに今住んでいる家を売却できなければ、契約を解除できるという特約です。
たとえば、今住んでいる家の住宅ローンがまだ残っている場合。
今住んでいる家が売れないうちに新しい住宅ローンを組んで新居を購入すると、二重でローンを支払わなければいけなくなってしまいます。
そこで新居の売買契約時に買い替え特約を設けると、今の家が売れなければ契約不成立となるため二重ローンを防ぐことができます。
買い替え特約を設けるときに定める必要があるのが、以下の3つです。
上記3つを決めて、売買契約書に買い替え特約の文言を記載します。
たとえば、以下のように記載します。
売却の期限と解除の期限を設定するのは、売却が成立しなかった後も買主に契約解除するかどうかを考える機会を与えるためです。
売却の期限だけを設定すると、売れなかったら直ちに契約解除となってしまうので、柔軟な対応ができません。
そのため、買い替え特約を付けるときは、売却の期限と解除の期限の2つを決めることが一般的です。
また、今の家の売却代金を新居の購入資金に充てたい場合は、いくらで売れるかも重要ですので、最低金額を決めておきます。
売却できたとしても購入資金が足りなければ支払いがむずかしくなってしまうため、最低金額を決めるのです。
ちなみに、買い替え特約で設定する最低金額は、相場価格よりも少し低い価格に設定することが一般的です。
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では、不動産売買契約に買い替え特約を付けるメリットとは何でしょうか?
買主から見たメリットは、以下の3つです。
通常、不動産の売買契約を結んだ後に契約を解除した場合、解除を申し出た側は取引の相手方に対して違約金や手付金を支払わなければいけなくなります。
売買契約を結ぶときは取引の相手方である売主にも労力と時間がかかっているため、約束違反としてペナルティーがつくのです。
その点、買い替え特約付きの売買契約では、今の家が売却できなかった場合に白紙解約することができます。
白紙解約だと売主にあらかじめ支払った手付金も戻ってくるうえに、違約金も発生しません。
このようなペナルティーが発生しないのは、大きなメリットでしょう。
売買契約が成立した後は、取引の仲介を依頼した不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。
もしも売買契約後になんらかの理由で契約解除した場合は、一度は売買契約が成立しているとして、仲介手数料の支払い義務が発生することがあります。
その点、買い替え特約によって白紙解約した場合は、売買契約が成立していないことになるため仲介手数料はかかりません。
ちなみに仲介手数料の支払いは、不動産売買契約成立時と物件の引き渡し日の2回に分けて半額ずつ支払うのが一般的です。
買い替え特約の最大のメリットは、時間の節約になる点です。
たとえば、今の家を売却してから新居を探すとなると時間がかかりますよね。
また、好物件を見つけた場合は、ほかの方に買われる前に申し込んでおきたいところでしょう。
そこで新居の売買契約に買い替え特約を付ければ、今の家の売却と同時進行で新居の購入手続きを進めることができます。
もし今の家が売れなかった場合は白紙解約することができるため、買主にとっては柔軟性の高い取引ができる点も嬉しいところでしょう。
今の家の売却と新居の購入が同時にできた場合は、引っ越し代や仮住まいの家賃代も節約することができます。
「今の家が確実に売れるかわからない」とご心配の方や「いくらで売れるかわからないから新居の購入をためらっている」という方にとっても、売買契約書に買い替え特約が付いていると安心ですね。
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買い替え特約のメリットがわかったところで、反対に買い替え特約のデメリットも気になるところでしょう。
買い替え特約のデメリットは以下の3つです。
不動産売買契約時に契約書に買い替え特約を付けるには、売主と買主の双方の合意が必要です。
買主にとってはメリットの大きい買い替え特約ですが、売主にとっては契約を白紙解約されるかもしれないという不安が残ります。
そのため、一般的に買い替え特約は売主の承諾を得にくい点がデメリットです。
しかし、売主が不動産会社だった場合は、買い替え特約の承諾を得やすいです。
不動産会社が売主の場合、買主の今の家の売却についても仲介を引き受けるケースが多いからです。
買主の今の家の売却が成立すれば仲介手数料を受け取ることができるうえに、自社が所有する物件の売却もでき、双方にとってメリットがあります。
売主の立場としてのデメリットは、売却機会を逃す点です。
買い替え特約を付けると、買主の所有物件が売れるまで売買契約が成立するかどうかわからないため、その期間は売主もほかの方に売却することができません。
もし買い替え特約によって白紙解約となった場合、ほかの購入希望者への売却機会をも逃すことになるのです。
売買契約時に買い替え特約を付ける交渉をする場合は、売主の立場も考慮して売却の期限や解除の期限を決めると良いでしょう。
買主の立場としては、買い替え特約を付けたからには売却の期限までに今の家を売りたいところですよね。
そこで、心理的に売却を焦ってしまい相場よりも安い価格で売ってしまうケースがあります。
今の家の売却代金を新居の購入費用に充てようと思って買い替え特約を付けたのに、安く売ってしまってはもったいないですよね。
買い替え特約を付ける際は、期限があるからと焦って不利な条件で今の家を売却しないようにご注意ください。
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今回は、マイホームの買い替えを検討中の方に向けて、買い替え特約とは何か、メリット・デメリットを解説いたしました。
買い替え特約とは、マイホームを住み替える予定の買主が、定めた期日までに今住んでいる家を売却できなければ契約を解除できるという特約のことです。
買い替え特約のメリットは、今の家を売却できなかったときは白紙解約できて仲介手数料もかからず、売却と購入を同時進行で進められる点です。
反対にデメリットは、売主から承諾を得にくい点や焦って安く売ってしまいがちな点です。
不動産の買い替えをご検討中の方は、ぜひこの記事を参考に上手な買い替えを成功させてください。
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