家族信託とは?家族信託のメリット・デメリットについて解説

2024-07-06

家族信託とは?家族信託のメリット・デメリットについて解説

この記事のハイライト
●家族信託とは家族間で信託契約を結んで委託者の財産を受託者が管理・運用し受益者が利益を享受すること
●メリットは柔軟な財産管理・委託者の判断能力に左右されない・不動産の共有を避けられる点
●デメリットは委託者の設定・契約の同意を得にくい・直接的な節税対策にはならない点が挙げられる

親が高齢になると、親の資産をどのように管理するべきか悩みますよね。
そこで今回は、近年注目を集めている家族信託について解説します。
家族信託のメリット・デメリットもご説明しますので、明石市で相続対策として家族信託をご検討中の方は、ぜひ参考になさってください。

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家族信託とは?

家族信託とは?

家族信託とは、家族が財産を効果的に管理するための方法の1つです。
家族信託を利用すると、財産の所有権を「財産から利益を受ける権利」と「財産の管理・運用・処分をおこなう権利」に分け、後者の権利だけを家族に委ねることが可能になります。

家族信託の仕組み

家族信託は、たとえば親御さんが認知症を患い自らの財産を適切に管理することが難しくなった場合や、介護が必要となった際に役立ちます。
子どもが信託された財産の管理や運用、さらには処分をおこなうことができるようになるからです。
このように家族信託は、将来の不測の事態に備え、家族の財産を守る重要な手段となります。

家族信託の基本的な構成

家族信託は、主に「委託者」、「受託者」、「受益者」の3つの役割から成り立っています。
「委託者」とは、元々の財産の所有者であり、その財産を信託に託す方です。
「受託者」とは、信託された財産の管理や運用、そして処分を任される方です。
「受益者」とは、信託された財産から生じる利益を受け取る方になります。
家族信託では親が委託者として財産を子に信託し、子が受託者として財産を管理するケースが多いです。
そのうえで、親自身が受益者となり、管理された財産からの利益を受け取る形が一般的です。
このように家族信託は、家族間で財産を有効に活用し、保護するための有力な手段として機能します。

家族信託への関心が高まる背景

家族信託が注目される理由の1つに、日本の高齢化と認知症の増加があります。
厚生労働省の調べによると、65歳から74歳の間で要介護認定を受ける方の割合は全体の約1割ですが、75歳以上では約9割に急増しています。
また、年齢が上がるにつれて認知症になる確率も高まります。
認知症が進行すると、銀行口座の凍結などが発生し、子どもたちでさえも親の資金にアクセスすることが困難です。
これにより、親の介護を担う子どもにも金銭的な負担が増加するという問題が生じます。
家族信託は「自分の財産が原因で子どもに迷惑をかけたくない」と考える方々のニーズに応え、高齢化する社会において柔軟な解決策として広がりを見せています。

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家族信託のメリットとは?

家族信託のメリットとは?

相続対策で家族信託を利用する主なメリットは、以下の3つです。

メリット①柔軟な財産管理が可能

家族信託は、成年後見制度に比べてより柔軟な財産管理が可能です。
成年後見制度では、本人の財産を保護することが最優先され、財産を減らさないよう配慮するため、特定の財産活用が制限されます。
たとえば、不動産経営や企業運営をおこなっている方が認知症になった場合、成年後見制度では必要な投資や積極的な経営戦略を実行しにくいことがあります。
未確定なリターンをともなう投資が本人の財産を減少させる可能性があるためです。
一方、家族信託では、委託者が信託契約を通じて財産管理の大枠を定めることができ、受託者には広い裁量権が与えられます。
信託契約により、受託者は、将来的な成長や収益向上を見据えた積極的な財産運用をおこなうことが可能です。

メリット②財産管理が委託者の判断能力に影響されない

家族信託は、とくに高齢の方が認知症になった際の財産管理の問題を解決する手段として注目されています。
認知症により判断能力が低下した場合、預金口座の凍結や不動産を売却することが困難になります。
これにより、日常生活に必要な資金の確保や適切な不動産管理がおこなえなくなることが問題です。
成年後見制度も認知症に対する1つの対策ですが、後見人として親族が選ばれるとは限らないうえ、財産の管理や運用に関してもさまざまな制限が設けられることがあり、使い勝手に課題を抱えています。
その点、家族信託では、財産の名義を子どもなどの信頼できる家族に変更することができ、広範囲にわたる裁量権を与えることが可能です。

メリット③ハイリスクな不動産の共有を避けられる

家族信託は、複数の遺族が共有する収益不動産の管理において重要な役割を果たします。
たとえば、親から子どもたちに受け継がれた収益不動産を、兄弟姉妹が共同で所有するケースを考えてみましょう。
もし、所有者の1人が認知症などにより契約能力を失うと、入居者との新たな契約の締結や必要な大規模修繕、不動産の売却などが困難になります。
法律上、共有物の変更や処分行為にはすべての共有者の合意が必要であるため、1人の能力喪失が他の所有者にも大きな影響を及ぼすからです。
家族信託を用いると、このような問題を解消することが可能です。
たとえば、兄弟のうち1人(A)が他の二人(BとC)の持分を信託として引き受けることにより、BやCが契約能力を失っても、Aが単独で不動産の管理や運営をおこなうことができます。
この方法では、Aが管理を担当しながら得られる家賃収入を全員で共有することも可能です。

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家族信託のデメリットとは?

家族信託のデメリットとは?

相続対策で家族信託を利用する主なデメリットは、以下の3つです。

デメリット①受託者を誰にするか争う可能性がある

家族信託では、受託者を誰にするかという問題がしばしば発生します。
受託者は、信託された財産の管理や運用の権限を一手に担いますが、家族間での論争の原因となることもあります。

デメリット②信託契約の同意を取りにくい

家族信託を設定する際、もっとも重要なのは祖父母や両親の同意を得ることです。
この同意を得ることが難しい理由は、主に2つあります。
1つ目は、家族信託が複雑で理解しにくい制度であるという点です。
日常生活で一般的な「贈与」や「売買」とは異なり、家族信託はあまり馴染みのない概念です。
そのため「理解が難しく、手続きが面倒」と感じ、進めるのを躊躇してしまうことがあります。
また、家族信託を投資信託などと誤解し、過去の経験から避けたいと考える方もいます。
2つ目は、財産の名義が受託者に変わることに対する不安です。
とくに不動産の場合、登記簿上の名義が子どもなどの受託者に変更されるため「自分の財産が取り上げられるのではないか」という心配が生じます。

デメリット③直接的な節税対策にならない

家族信託自体は、直接的な節税効果をもたらすものではありません。
家族信託をおこなった場合、財産の名義は子どもなどの受託者に移りますが、財産権(受益権)は依然として親のものとして残ります。
節税対策として財産の評価額を下げることにはつながらないのです。
受益者である親が亡くなった際には、受益権は信託契約に基づいて指定された者に承継されます。
このときには、相続税と同様の税金が発生し、納税する必要があります。
家族信託を検討する際には、節税目的ではなく、主に財産管理の円滑化や家族内でのトラブル防止を目的として利用することが適切です。

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まとめ

家族信託とは、家族間で信託契約を結び、委託者の財産を受託者が管理・運用し、その財産から発生する利益を受益者が受け取る契約のことです。
メリットは、柔軟な財産管理や委託者の判断能力に左右されない点、ハイリスクな不動産の共有も避けられる点です。
デメリットは、委託者の設定や契約の同意を得にくい、直接的な節税対策にはならない点が挙げられます。
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