2024-01-16
土地や建物といった不動産は高額なため、買主は住宅ローンを組んで購入するのが一般的です。
しかし買主が過去に滞納した履歴がある場合などは、金融機関から融資を断られることも珍しくありません。
買主がローンを組めない場合に、不動産売却を成立させる方法として「割賦販売」があります。
この記事では、割賦販売の概要とメリット・デメリットを解説します。
明石市で不動産売却をご検討中の方は、ぜひ参考になさってください。
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はじめに割賦販売とはなにか、どのような場合に有効なのかを解説します。
割賦販売とは、売却代金を一括ではなく分割で受け取る方法です。
不動産を売却したあと、1年以上の長期にわたり、2回以上に分割して売買代金を受け取ります。
買主の立場で考えると、土地や建物をクレジットカードのリボ払い(分割払い)で購入するイメージです。
割賦販売を用いる場合、現金での販売価格と割賦販売価格、引き渡しまでに払う金額などを決める必要があります。
割賦販売は、おもに以下のような場合に有効です。
割賦販売が有効なのは、買主がローンの審査にとおらず、購入手段が自己資金のみに限られる場合です。
たとえば親子間で不動産取引をおこなう場合、金融機関から融資を受けるのは難しいといえます。
融資されたお金を別の用途に使用したり、相場とかけ離れた金額で取引されたりする可能性があるためです。
また、買主が独立して間もない場合や転職して3年未満の場合も、ローン審査が厳しくなる傾向にあります。
再建築不可物件など、担保価値の低い不動産を売買する場合も同様です。
金融機関は債務者がローンを滞納したときに、担保にした不動産を売却して資金を回収します。
不動産の価値が低いと資金を回収できなくなるため、需要が見込めないと判断された物件は融資を断られる可能性が高いです。
買主が過去にカードローンなどを滞納し、ブラックリストに載っている場合も、融資を受けることはできません。
もし住宅ローンを組めなければ、買主は現金一括払いで不動産を購入することになります。
何千万円とする大金をまとめて支払える方は少なく、ほとんどの方が購入を断念するでしょう。
このような場合に割賦販売を用いて分割払いを可能にすることで、買主が不動産を購入しやすくなります。
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ここでは、割賦販売で不動産を売却するメリットを解説します。
割賦販売であれば、買主の費用負担を軽減できるので売買を進めやすいというメリットがあります。
先述したように、滞納歴があるなど住宅ローンを組むのが難しい買主でも、不動産を購入できる可能性が高まります。
住宅ローンを組めなくても分割払いで不動産を購入できるため、融資を受けにくい方や費用を抑えたい方からの購入が見込めます。
親から子に不動産を引き継ぐ方法として贈与がありますが、譲り受けた側に高額な贈与税が課されてしまいます。
そうなると子どもに多くの負担がかかるため、贈与税の課税を回避するために、親族間売買をおこなう方は少なくありません。
しかし先述したように、売主と買主が親子などの親族間取引では、金融機関から融資を受けることは困難です。
そこで割賦販売を用いれば、親族間取引であっても分割払いで不動産を購入でき、子どもの金銭的な負担を軽減できます。
再建築不可物件など、担保価値の低い不動産を売買する際にも割賦販売は有効です。
再建築不可物件とは、現行の建築基準法を満たしておらず、再建築ができない土地をいいます。
このような不動産は、売り出しても買主がローンを組めず、購入を見送られてしまうことも多いです。
割賦販売を用いれば、担保価値の低い土地や建物でも買主が見つかりやすくなるというメリットがあります。
また、築年数が経過した古い物件を賃貸に出しており、管理にお困りの場合も割賦販売は有効です。
長年賃貸してくれている入居者がいれば、そのまま割賦販売で買い取ってもらないか交渉してみると良いでしょう。
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割賦販売には買主の幅が広がるというメリットがある一方で、デメリットも存在します。
ご自身に適した売却方法かどうかを判断するためにも、割賦販売のデメリットもあわせて確認しておきましょう。
割賦販売のデメリットとしてまず挙げられるのが、買主からの返済が滞るリスクがある点です。
基本的に不動産は何千万円と大きな金額なので、支払いが完了するまでに時間がかかります。
その間に買主が失業したり療養が必要になったりして、支払いができなくなってしまうかもしれません。
また、売主が自ら分割払いの管理をおこなわなければならず、手間と労力がかかる点もデメリットの1つです。
所有権移転登記のタイミングが難しい点も、割賦販売のデメリットといえます。
所有権移転登記とは、売主から買主へ所有権が移転したことを示す手続きのことです。
通常の不動産売買では、売主が売買代金を全額受け取ったタイミングで、所有権移転登記をおこないます。
割賦販売の場合、完済時に登記するとなると買主がリスクを負うため、契約自体が難しくなります。
だからといって契約時に所有権移転登記をすると、買主の支払いが滞った際に代金を回収できません。
それどころか不動産が差し押さえになり、大切な資産を失ってしまうリスクもあります。
このように割賦販売では、所有権移転登記のタイミングを巡ってトラブルになる可能性があります。
住宅ローンを組むと利息を支払うのが一般的ですが、親族間取引では無利息にしようと考える方も多いでしょう。
しかし利息をカットしてしまうと、税務署から贈与があったとみなされ、贈与税が課される可能性があります。
売主の負担を軽減するために無利息にしたものの、そこに贈与税がかかってしまっては損をしてしまいます。
なお、いくら分割払いにしたら利息分が贈与と見なされるかについては、明確な基準はありません。
そのため、親族間での割賦販売であっても利息をカットせず、きちんと利息を取って販売するのが無難です。
親子間で不動産を割賦販売すると、将来相続時に相続人同士で揉める可能性があります。
たとえば親が長女に実家を割賦販売し、数年後に親が亡くなり相続が発生したとしましょう。
ほかの家族がその事実を知らずにいた場合、各相続人が取得する財産が少なくなるため、不公平だと感じるかもしれません。
場合によっては大きなトラブルになり、修復不可能な段階まで関係性が壊れる可能性もあります。
このような揉め事を避けるためにも、不動産を親子間で割賦販売する場合は、ほかの相続人とも話し合ってから決めるようにしましょう。
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割賦販売とは、売却代金を一括ではなく分割で受け取る方法です。
買主が住宅ローンを組めない場合に有効ですが、買主が滞納して代金を回収できないリスクもあります。
「割賦販売でなければならない」という特別な事情がない限りは、一般的な不動産売却で手続きを進めるのがおすすめです。
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