2023-05-16
不動産の所有者には、毎年固定資産税が課税されます。
空き家や築古物件など、不動産の種類に関わらず、税金が発生するのが一般的です。
では、事故物件の場合、固定資産税はかかるのでしょうか。
今回は事故物件を相続した場合、固定資産税はかかるのか、計算方法や減額する方法について解説します。
明石市で事故物件を相続する予定の方は、ぜひ参考になさってください。
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まずは、事故物件を相続した際の固定資産税はどうなるのかを解説します。
相続した不動産が事故物件であっても、固定資産税の支払い義務はなくなりません。
先述したとおり、固定資産税は不動産の所有者に対して課税される税金です。
そのため、たとえ事故物件であっても、課税対象者となります。
事故物件とは、心理的瑕疵のある物件のことです。
瑕疵とは物件に生じている不具合や欠陥のことで、傷や設備の故障などが挙げられます。
心理的瑕疵とは、過去に事故や事件があり、実際に欠陥がなくても心理的な影響を受ける物件です。
ただし、心理的な要因は、人によって感じ方が異なります。
「その事実を買う(借りる)前に知っていたら、住まなかっただろう」と思うような物件が、心理的瑕疵物件となるのが一般的です。
固定資産税とは、土地や建物のほか、償却資産に対しても課税されます。
土地は、田や畑、山林や牧場などが対象です。
建物は、住宅や店舗、工場や倉庫などが該当します。
償却資産とは、パソコンやコピー機など、経年劣化により資産価値が減少する資産のことです。
事故物件の場合、相続放棄や売却を視野に入れることをおすすめします。
事故物件は資産価値が低下しやすく、相続しても資産運用することは簡単ではありません。
そのため、運用しても赤字となってしまう場合があります。
また、不動産は事故物件か否かに関わらず、定期的な掃除や見回り、不具合の修繕などが必要です。
固定資産税以外の出費もかさむので、資産価値が低い場合は相続放棄を検討しましょう。
相続放棄する場合、相続が発生した事実を知ってから3か月以内に、家庭裁判所での手続きが必要です。
期限を過ぎてしまうと、相続したことになってしまうので注意なさってください。
また、相続放棄の手続きには戸籍謄本や住民票などが必要です。
3か月以内という短い期間に複数の書類を取得しなければならないので、事前に準備を済ませておくのがおすすめです。
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続いて、事故物件における固定資産税の計算方法を解説します。
固定資産税の計算方法は下記のとおりです。
評価額×税率(標準税率1.4%)
一般的には、所有している資産の評価額に、標準税率の1.4%を乗じて算出します。
評価額とは、土地の公的価格や建物の面積、価値などをもとに、各市町村が決めている価格のことです。
3年に1度のペースで評価替え(見直し)がおこなわれ、そのタイミングの地価をもとに金額が決定します。
地価が高ければ固定資産税も高くなるのが一般的です。
事故物件であることは考慮されないので注意しましょう。
また、標準税率は1.4%ですが、市区町村によって1.5%や1.6%になることもあります。
税率が1.4%の場合、物件の評価額に応じた固定資産税の金額は下記のとおりです。
固定資産税の金額は、建物の評価額に比例していることが分かります。
更地の場合、住宅用地の特例(軽減措置)の対象外となります。
軽減措置から外れてしまうと、固定資産税の負担が大きくなるのがデメリットです。
事故物件の瑕疵を下げるため「更地にしよう!」とお考えになる方もいらっしゃいますが、解体すると税金の負担が大きくなるでしょう。
所有している事故物件が空き家なら、売却を検討なさってください。
特定空家に指定された場合、更地にした際と同様、固定資産税の負担が大きくなる可能性があるからです。
特定空家とは、空き家のなかでも下記のような空き家を指します。
放置しておくことが望ましくない空き家は、特定空家に指定されるリスクが高いです。
一般的には、地震や台風などの自然災害が起きた際に、安全であるかどうかが問題となります。
事故物件を空き家にするのであれば、特定空家に指定される前に売却するのがおすすめです。
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最後に、事故物件の固定資産税を減額する方法を解説します。
課税標準額が免税点未満の場合、固定資産税は非課税となります。
課税標準額は下記のとおりです。
所有している事故物件が、課税標準額未満であった場合、固定資産税の負担はなくなります。
ただし、同じ市区町村に複数の不動産を所有している場合は注意が必要です。
固定資産税を非課税とするためには、それぞれの課税標準額を合算した金額が免税点未満である必要があります。
事故物件とは別に、複数の不動産がある場合、非課税とならないかもしれません。
別の市区町村にあり、それぞれの課税標準額が免税点未満なら、固定資産税は非課税です。
固定資産税を減額する方法として、長期優良住宅リフォームすることも挙げられます。
長期優良住宅リフォームによって、税金の減額につながるからです。
長期優良住宅とは、長期間(何十年)にも渡って良好な状態で住み続けられるよう、構造や設備などが工夫された、優良な物件を指します。
事故物件をそのような状態にリフォームし、条件を満たせば、翌年の固定資産税が2分の3に減額されます。
主な条件は下記のとおりです。
瑕疵の状況や物件の状態によっては、条件が追加されることがあります。
固定資産税を減額する方法として、農地への転用も挙げられます。
農地は宅地に比べて課税評価額が低いため、固定資産税を減額することが可能です。
ただし、農地にしてしまうと農業用途でしか土地を活用できなくなります。
そのため、事故物件を農地にする際は、そのあとの活用方法についても考えておく必要があります。
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事故物件であっても、固定資産税の支払い義務はなくなりません。
資産価値が低い場合は、資産運用や売却などを検討するのがおすすめです。
やむを得ず相続した際は、固定資産税を減額する方法について知っておくと良いでしょう。
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