2022-10-25
不動産売却の際には売主には契約不適合責任があり、それを回避するために売却前に不動産の状況を専門家に調査してもらうことができます。
売主が負う契約不適合責任とは物理的な不具合を告知するほかにも、過去に起こった事実にも配慮が必要となります。
明石市で不動産の売却を検討されている方へ、売却前に気をつけるべき契約不適合責任やインスペクションについて解説しますので、ぜひ最後まで目を通して売却準備に活かしてください。
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目次
売主は、契約どおりのものを買主に提供するという義務があり、その不動産が申告どおりの状態でなかった場合には、買主からの請求に応じなければなりません。
以前は「瑕疵担保責任:かしたんぽせきにん」と呼ばれていた売主の責任が2020年4月の民法改正をうけて契約不適合責任にかわりました。
売主がその不具合を知っていたかどうかに関係なく、売買契約書や重要事項説明書に記載のない不具合が引渡し後に発見されれば、契約不適合責任を負う可能性があります。
以前の瑕疵担保責任のように、隠れた瑕疵かどうかという判定ではなく、あくまでも契約書で告知していた状態と引き渡し時の状態が異なっているかどうかで判断されます。
売主の契約不適合責任は、買主が契約書に記載のない不具合を発見したときから1年以内に売主へ通知しなければ時効消滅します。
一方で、この契約不適合責任は当事者間で合意すれば、1年の責任期間を短縮し、売主の責任をなくすこともできる任意規定でもあります。
ただし、売主が宅建業者の場合には例外的に、双方が契約不適合責任を免責する特約について合意していたとしても、責任がなくなることはありません。
契約不適合責任は、売主がその不動産に雨漏りがあるときちんと契約書の中で申告さえしていれば、引き渡した不動産に雨漏りがあっても契約書に書かれたとおりで買主も承知しているため、特に問題はありません。
しかし、契約書に雨漏りのことが書かれていなければ、雨漏りのない物件を引き渡す約束をしたのと同じなので、雨漏りがあれば契約どおりの品質で引き渡せなかったとして責任を負うのです。
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契約不適合責任では、買主にどのような権利が認められているのかを見ていきましょう。
ここでいう追完とは、契約書に記載された状態にするよう請求することで、不動産なら補修や設備の交換などを意味します。
もしも、売買契約書に玄関扉の不具合が記載されず、引き渡し後に壊れて開かないと分かった場合には、玄関扉が開くように補修や交換をお願いするのが追完請求です。
逆に、契約書に玄関扉の不具合が書かれていれば、追完請求はできません。
上記の場合に、追完請求してもなお玄関扉の補修も交換もしなかった場合には、次の段階として売買代金の減額が請求されます。
もしも、売買代金を全額すでに支払ってもらっている場合には、減額請求金額分を返還請求されます。
買主が追完請求をしても応じなかった場合に、不具合の状況がひどくて購入した目的が達成していないと認められれば、契約解除されます。
これは、不具合の程度・補修費用・買主の意向などの総合的な判断の結果、売買代金の減額よりも契約解除のほうが適していると判断できる場合です。
損害賠償請求に関しては、他の請求権とは成立要件が異なります。
それは、損害賠償を請求するには、売主に過失があることが成立要件になる点です。
つまり、売主が不具合を知りながらそれを悪意を持って隠した場合や、売主に大きな落ち度があり不具合を見つけられなかった場合でないと、損害賠償を請求されることはありません。
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不動産の売却前にインスペクションで不具合を見つけ、それを告知すれば契約不適合責任の回避に効果的です。
インスペクションとは、現状の建物に不具合などがないか専門家に見てもらう、既存住宅状況調査のことです。
調査する不具合の種類
インスペクションは目視が中心で、見えない内部は音波やサーモ計測機を使い、水平垂直やゆがみ傾き計測など、目視で識別できる範囲を調査します。
壁や床や天井をめくって内部を詳細に調査することは、通常はほとんどありません。
インスペクションの調査時間は、床面積30坪程度なら2~3時間です。
費用は、目視中心の一次検査(基本調査)を木造一戸建て住宅(30坪程度)でおこなうとして、4万円~7万円です。
インスペクションの結果を、契約書・物件状況報告書・付帯設備表に記載しておけば、契約不適合責任はおおむね回避できます。
インスペクションとその他の不動産の売却時に告知すべき義務をご紹介します。
インスペクション
不動産会社は売主へのインスペクションに関する説明とインスペクション調査員のご紹介・斡旋をおこないます。
2018年4月から、不動産会社にはホームインスペクションについての説明が義務化されました。
不動産会社は、下記の3つのタイミングで説明をおこないます。
ただし、この義務はホームインスペクションについての説明にとどまり、調査の実施は必須ではありません。
心理的瑕疵
一般的に「事故物件」と呼ばれるものは、自殺や他殺や火災による死、そして死後から長時間経った状況があった物件のことです。
多くの方が好んで選ぶ条件ではなく避けたい事実ですので、以前は近隣であったことや数十年前のことまでもが拡大解釈され告知されていました。
告知の原則は、人の死の事実が取引相手に大きな影響があると考えられる場合には必要となっています。
令和3年10月の国土交通省ガイドラインによれば、次のケースは売買について告知しなくて良いとされています。
不動産の居室内の自然死、日常生活での転倒や誤飲などの不慮の死
ただし、長期間放置され特殊清掃やリフォームをおこなった場合には告知が必要となることもあります。
告知不要の事例でも取引相手に大きな影響があると考えられるなら、やはり告知は必要でしょう。
取引相手のとらえ方が告知の必要性に大きく影響するため、心理的瑕疵の告知については慎重に判断しましょう。
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不動産売却における契約不適合責任の買主の権利やインスペクションについて解説しました。
インスペクションには費用がかかりますが、買主の安心感と売主の責任が回避できる方法ですので、売却の際にご活用ください。
明石市を中心に「株式会社e-home」は、築古物件など売却に関するさまざまなお悩みを解消いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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