2021-12-17
近年、自宅を売却するときに「ホームステージング」を取り入れる方が増えています。
今回はホームステージングにはどのような効果があるのか、メリットやデメリット、費用についても詳しく解説します。
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目次
ホームステージングとは、中古住宅の売却活動をスムーズにするために、家具や小物などを配置してモデルルームのように演出することです。
自宅を売却するときは、住みながら売却活動をするケースと、引っ越しを済ませた後に売却を始めるケースがあります。
空き家にしてから売却したほうが気軽に見学できますし、生活感が見えなくて良いような気もしますよね。
しかし、検討者の視点で見ると、殺風景な空き家の状態の中古住宅は経年劣化による建具の傷みやちょっとした汚れが目につきやすいものなのです。
新築マンションのモデルルームに行ったことがある人ならわかるかもしれませんが、家探しは本来ワクワクする楽しいものですから、第一印象が何より大事です。
実際に生活してみれば気にならないような小さなダメージでも、第一印象を悪くしてしまうことがあるのです。
また、家具の配置されていない部屋は思ったより狭く見えてしまうこともあります。
実際に室内を見学すると「ここにソファを置くと狭くならないかしら?」「ここにベッドは置ける?」ということが不安になってしまうものです。
ホームステージングで家具を配置することで、実際の生活をイメージしやすくなる効果があります。
ホームステージングを専門におこなうスペシャリストのことを「ホームステージャー」と言います。
これは、2013年に設立された一般社団法人日本ホームステージング協会が作ったホームステージングをおこなう人のための資格です。
インテリアコーディネーターは顧客の要望に合わせて家具や小物などを室内に配置していくインテリアの専門家で、そのゴールは「インテリアそのもによって空間を演出」し、顧客に満足してもらうことにあります。
一方、ホームステージャーは不動産そのものを演出するのが仕事です。
顧客に見てもらうのはインテリアではなくあくまで不動産であるため、住宅の魅力を高め、検討者に「見学したい」「購入したい」と思ってもらい、実際に成約に至ることがゴールです。
そのため、物件ごとにターゲットとなる層を見極め、それに合わせたホームステージングが求められます。
たとえば、子育てファミリー向けの物件に豪華なシャンデリアやシャンパングラスは不向きとなります。
そのような、細かい点も配慮して配置していくため、より購入に繋がりやすくなります。
ホームステージングのもっとも大きな効果は、物件の第一印象が良くなることです。
ポータルサイトの広告に掲載された室内写真の第一印象が良ければ問い合わせや見学が増えやすくなりますし、実際に部屋の見学をした方の第一印象がその後の判断を左右することが多くなります。
そのため、成約までの期間が短くなったり、ライバル物件よりも高値で売却できることがあります。
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実際にホームステージングを取り入れることで得られるメリットは以下の3つです。
問い合わせや見学が増える
インターネットを使った家探しが定着した今、見学に来る段階で、すでにある程度物件を絞り込んでいるという人が増えました。
そのため、ポータルサイトには間取り図だけでなく、建物の外観や室内写真を掲載するのが常識になりました。
ホームステージングされた室内写真を広告掲載することで、ライバル物件と差別化を図ることができ、集客率のアップが期待できます。
成約までの期間が短くなる
問い合わせや見学が増え、実際の見学後の第一印象が良くなれば、当然早期の成約につながりやすくなります。
売却活動が早期に終了できることは大きなメリットといえます。
成約価格が上がる
第一印象が良くなることで、似たような条件のライバル物件よりも高値での売却が期待できます。
ホームステージングにはデメリットもありますので、チェックしておきましょう。
費用がかかる
家を売却するときは仲介手数料などの諸費用が発生しますが、ホームステージングの費用は売主が負担することになります。
この費用は物件が売れる前にかかる費用ですので、仲介手数料のように売却代金の中から支払うことができない費用となります。
効果が分かりにくい
せっかく費用をかけてホームステージングをしても、必ず売れるとは限りません。
ホームステージングはあくまで演出ですから、住宅の価値そのものを上げるわけではありません。
良い物件はホームステージングをしなくてもすぐに売れることもあります。
一方、不便な場所にある、建物が老朽化しているなどどうしようもないネックがある物件もあり、ホームステージングによって確実に成約につながるとは言えないのです。
また、ホームステージングによってライバル物件より200万円高く売れるという物件もあれば、ほとんど変わらないという物件もあり、かけた費用に対する効果は一律ではありません。
費用対効果が見えにくいという点はデメリットになります。
居住中はやりにくい
ホームステージングは基本的に空き家の状態でやるのが一般的です。
住みながらの場合、一度自分の家具を搬出し、見学の後に再度搬入するという作業が必要になり、見学者が購入に至らなかった場合はその分の費用が無駄になってしまいます。
通常は売り出し始めてから、何組かの検討者に見学してもらって成約に至ります。
1組の見学だけのためにコストをかけるのは効率的ではありません。
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ホームステージングをおこなうときは、その費用対効果をしっかりと見極める必要がありますが、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
どこに依頼するかによって大きく変わってきます。
空き家をホームステージングする場合、使用する家具のグレードや数によっても異なりますが、費用は17万円~30万円ほどです。
また、リビングだけを演出する場合と、玄関や水回りも演出する場合では料金が変わってきます。
水回りに配置する小物程度であれば、新居で使う予定のものを置いたり、自分で買ったほうが安く済むという場合もあります。
なお、家具や小物は3か月以内のレンタルとなるため、売却期間が3か月を超える場合は追加の費用が必要になります。
居住中のホームステージングの場合、基本的には家具をレンタルすることなく、業者のアドバイスに従い自分でコーディネートするため、1回あたりの費用は約5万円となります。
しかし、家具をレンタルする場合は、さらに費用がかかります。
1回の案内で成約に至るとは限らないため、慎重に考えたほうが良いでしょう。
居住中の場合であっても、布団や季節物などの大きな荷物をトランクルームに預ける、水回りをプロに掃除してもらう、間接照明や観葉植物、アートを飾るといった工夫をすることで、自宅を魅力的に見せることができます。
加えて、案内の際はすべての照明をつけ、換気をしておくと第一印象を良くすることができるでしょう。
不動産の魅力は格段に向上させるホームステージングは、今後ますます広がりを見せるかもしれません。
同じエリアや同じマンション内などの売り出しが多い場合は、ライバル物件と差をつけることができるホームステージングを検討しておいて損はないかもしれませんね。
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